#007 語学学習と“自己流の罠”

語学だけが「独学でも何とかなる」と思われがち?

語学は、今も昔も人気のある趣味の1つです。
でも、たとえば「キックボクシングをゼロから誰にも習わずに、YouTubeだけで自宅で練習しています」という人は、あまり聞きませんよね。

NHKの語学講座など、独学に適した教材が多いことも理由の一つかもしれませんが、語学だけは「独学でなんとかなる」と思われがちです。
果たして、それは本当に現実的なのでしょうか?

基礎を習う大切さ

ある日、「クラシックジャズダンスを始めたいんです」とあなたの同僚が言ったとします。
でもその直後、「お金はかけたくないから、YouTubeを見て家で踊るつもりなんです」と続けます。

実はあなたは、その人にあまり言ってなかったけど、クラシックジャズダンス歴10年の経験者。基礎の大切さも、独学の限界もよく知っています。
だから、ついこう言いたくなります。

「基礎から習ったほうがいいですよ。独学だと効率も悪いし、変なクセがつきますよ」

語学も、実はこれと同じです。

自己流の罠

「英語を話せるようになりたい」と思ったとき、多くの人は無料教材から始めます。
「できるだけお金をかけたくない」「人から習うほどじゃない」と感じるのも、よくあることです。

でも実際には、ダンスもキックボクシングも語学もすべて、「正しいフォーム」が重要です。
義務教育の英語だって、習っていましたよね?
自己流で学んで、文法や発音の誤りに気づかないまま続けてしまうと、変なクセがつき、やり直すのが難しくなってしまいます。
…かつての私のように。(いや、今もかもしれません。)

そうです、私はまさに、そうした“自己流の罠”にハマった1人でした。
自己流でなんとかしようとして、時間をかけた割には伸び悩み、変な癖もつき、後からの軌道修正にさらに時間やお金がかかることに…。

今でも、心の中で「最初の段階でちゃんと習っておけば…」と叫びたくなることがあります。
もし、あのとき別のルートを選んでいたら——今とは違う未来が開けていたかもしれません。

お金をかける=失敗や遠回りを減らすという選択

もちろん、「語学にお金をかけるべきだ」と一方的に言いたいわけではありません。
けれど、自分ひとりで積み上げていくことには限界があるということ、そしてお金をかけることで、失敗や遠回りを減らせる場合もあるということは、知っておいて損はないと思います。

挫折して放ったらかすと、3〜5年なんてすぐに経ちます。
そうすると、当たり前の話ですが、25歳が30歳に、35歳は40歳に、45歳は50歳になってしまいます。
下手すると、人生のフェーズが変わってしまいますよね。

定年退職した方々にも、語学はとても人気です。
若い頃にやりたかった…=若い頃に挫折した?
もちろん、やらないよりはいい。
でも、続いていたら、もっと良かったかもしれませんよね。

語学は、脳が若いほど学びやすいですし、歳とともにせっかく学んだ語学を使ってのチャンスもどんどん限られていきます。
焦る必要はありませんが、無駄な挫折やブランクはない方がいいと思いませんか?

私も、お金の話になると怖くなる気持ちはよくわかります。
「趣味なんだから」「無料で十分」——そう思うのは自然です。

でも、せっかく見つけた目標を、遠回りや挫折で失ってしまうほうが、もっともったいない!
私はそう思うのです。

罠の存在を心の片隅に

もしあなたが、これから語学を始めようとしているなら、このような“自己流の罠”があることだけ、心の片隅に置いておいてください。

もちろん、誰から習うかや教材の質を見極めることも非常に大事です。
コストをかけたからといって、必ずしもすべてが報われるというわけではありません。
そのあたりは別の機会にお伝えしたいと思います。

あなたの学びが、途中で止まらず、しっかりと続いていきますように。

おすすめの記事