
「聞けるけど話せない」「読めるけど書けない」
TOEIC L&R(リスニング&ライティング)で高得点を取ったのに、「英語が話せない」「書けない」と感じている方は、意外と多いのではないでしょうか。
この悩み、よく聞きます。
でもそれは、当たり前と言って良いかもしれません。リスニングとリーディングはインプット力だからです。
実は私はスピーキングとライティングを中心に勉強するスタイルでしたので、私の経験をもとに、スピーキング力とライティング力を上げる方法を書いてみます。
まずは話す・書く力を測定
話せない・書けないからといって、英語の実力がないわけではありません。
むしろ問題なのは、今の自分のスピーキング・ライティング力を「測る機会がない」ことです。
TOEIC L&Rは、あくまで「読む・聞く」力を測る試験であって、アウトプット力は測ってくれません。
アウトプットの力を伸ばすには、「話す・書くことに特化した練習」が必要です。
これまでTOEIC L&Rを受けてきたならば、まず自分の英語アウトプット力がどのぐらいのレベルにあるかを見るために、TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)テストを受けてみませんか?
語彙や文法の知識を、実際に使える形に整えるには、「とっさに話す」「意見を書く」「説明をする」といった負荷のある練習が必要です。
TOEIC S&Wは、アウトプットの瞬発力や、意見を組み立てる力、描写力などを問う試験です。
インプットだけの学習では、英語を「使える」ようにはなりません。
TOEIC L&R高得点という実力があるなら、アウトプットの練習を取り入れれば、必ず伸びます。
「試験のため」ではなく、「英語を使えるようになるため」に、TOEIC S&Wを試してみる価値はあると思います。
私のアウトプット学習方法
実際に私がこの試験を受けたとき(もう10年以上前ですが)、試験勉強は特にやりませんでした。
結果は、S 180点、W 180点でした。
このように、それまでやってきたスピーチを中心としたスピーキング練習と、作文を中心としたライティング練習で十分対応できましたし、その努力の成果を測るために受けたからです。
「留学してたからじゃないか」という意見もあるかと思いますが、留学中は課題ばかりやっていて、日常のスピーキングに関してはほとんど関係がありません。
確かに、スピーチのクラスをできるだけ取るようにして、スピーチコンテストに参加したりもしました。
しかし、英語スピーチ自体は日本でもできるものなので、留学までたどり着く労力や費用を考えたら、日本でスピーチをやった方が断然楽ですし、コスパもいいです。
ライティングについては、留学前から日記をネイティブや英語話者に、機会があるごとに添削してもらっていました(その機会も、向こうからやってきたわけではなく、いろんな工夫や根回しをして自分で作り出していました)。
留学中は課題のessay(小論文形式のレポート)に、時間の許す限り、全力で取り組んでいました。
これも、作文自体はやろうと思えば日本でできるので、ネイティブのライティング講師についてもらったりでも、同じような訓練ができたと思います。
今でしたら、AIにスピーチの準備を手伝ってもらったり、スピーチを聞いてもらったり、ライティングの添削をしてもらったり、細かい質問をしたりができますので、留学をしなくても似た環境は作り出せますね。
試験勉強はしない
アウトプット力を高めるのに、TOEIC S&Wの試験勉強をするのは本当にもったいないと思います。
試験問題を見て「だいたいどういうことができればいいのか」を把握するのは良いと思います。
大切なのは、日常や仕事で言いたいことを述べたり書いたりできる力です。
そこを取り違えないようにして、試験勉強とは異なる、日常や仕事に即した内容でのスピーキングとライティングを学んでいくことで、実用英語力がついていきます。
具体的には、スピーチに似た学習方法を取ったり、添削付きのライティングをやったりするということです。
私のおすすめの勉強法の詳細は、今後の記事でご紹介する予定です。
試験は目安
以前の記事「#016 TOEICはS&Wも受けるべき」では、バランスの良い英語4技能学習の重要性の観点から、TOEIC S&Wをおすすめしました。
今回は、インプット力とアウトプット力の違いから、TOEIC S&Wの活用方法をご紹介しました。
TOEIC S&Wのスコアを一つの目安にして、自分のアウトプット力が今どの辺なんだなというのを把握し、またさらに実用的な内容を学んでいくのが本当におすすめです。
また、TOEIC L&Rと違って、TOEIC S&Wは就活や昇級でスコアが求められることはまだ少ないと思います。
つまり、この記事を読んでくださっている方々は、ご自身の英語力自体を高めたいと考えていらっしゃる方が多いのではないかと思います。
ぜひ、有機的な方法でアウトプットのための学習をして、試験を利用する形でそれを測ることで、「聞けるけど話せない」「読めるけど書けない」から抜け出しましょう!