#023 英語を話すのが怖いのは、勇気がないから?

英語を話すのが怖い

これまで私は「英語を話すのが怖い」と感じる人について敢えて書きませんでした。
「勇気を振り絞る」「思い切って挑戦してみる」という対処法が、英語の「正確さ」を重視しないことにつながるのが心配だったからです。
でも、世の中には「英語を話すのが怖い」という声が多いようなので、今回はその理由を整理してみたいと思います。

実は私自身も、英語を本格的に学び始める前、初めて教室ではないところで英語を使おうとしたとき、半分日本語化しているとすら言える「ハロー」が出てこなくて、本当に動揺した経験があります。
なので、話すのが怖いという気持ちはよくわかります。
その後の経験も踏まえて、話すのが怖いとはどういうことなのかを整理しながら、対応策を考えていきます。

英語を話すのが怖い5つの理由

①知らない文化や背景だから

英語を話すのが怖いのは、単純に、英語を使う相手の文化や背景が「未知のもの」に感じられるということではないでしょうか。
メディアや映画の中では多少見たことがあっても、実際にその中に入って話そうとすると、怖さを感じるのは自然なことです。

【対応策】
相手の文化や考え方を知る。英語圏の文化、歴史、価値観、会話の習慣を、書籍・映像・インタビューなどで積極的に学ぶようにする。言語は文化とセットだと意識する。

②初めてや不慣れだから

初めてのこと、慣れていないことは誰でも怖いものです。
英語で話すことが、「まったくの初めて」であっても、「まだ十分な経験がない」という段階でも、本質的には慣れていないことへの怖さです。

【対応策】
「まだ慣れていないだけ」としっかり認識する。その上で、「もし失敗したらこう対応しよう」と事前にシミュレーションしておく。

③英語に自信がないから

英語をどれだけ学んでも「自信がない」と感じる人はいます。
私も比較的長く英語を学んできましたが、それでも自信満々とは程遠いです。
むしろレベルが上がるほど、膨大な学びの世界が見えてきて、余計に自信がなくなってくる感覚すらあります。

また、面接や発表は母語でも準備が必要ですし、新しい語彙は常に生まれています。
言葉は「生もの」であって、アップデートは常に必要ですから、何もしないで自信を持てるわけではないはずです。

自信がないことを前提に、備えられる事にはすべて備えておきましょう。
その上で、備えられなかった事態のために、「実は、もう行かなくてはなりません」などの“緊急脱出用”の表現だけはしっかり探せるようにしておきましょう(頭が真っ白になっても見つかるように)。

【対応策】
予測できる場面なら前もって準備する。その他に、ピンチになったときにその場を乗り切るための語彙やフレーズを用意しておく。

④熱意が不足しているから

あがり症などの性格的要因は別として、強い動機がないと、積極的に話そうという気持ちが湧きにくいことがあります。

私も英語を学び始めた頃、オーストラリア人が実家に来た時に「とりあえず見に行く」程度の感覚で、実は熱意はありませんでした。
だからこそ、いざ話す場面で怖さが先に立ってしまいました。
もし「絶対英語で話したい!」と思っていたら、結果は全く違ったはずです。

【対応策】
熱意を意識して育てる。海外ドラマ、好きな俳優、旅行先の憧れ…きっかけは何でもいいので、熱意の火種を作る。

⑤失敗を見られたくないから

間違ったり格好悪い姿を人に見られるのが嫌、という気持ちは誰でも持っているものです。
私も今でも「英語しゃべってみて」と振られるのは苦手です。
だってそのあと当然観察されますから…。

誰に遠慮することもなく、あなたの「安心感」を確保してください。
ずっと安心な状態を確保できるとは限りませんが、自分が「もう大丈夫」って思うまでは、安心できる環境で練習するのも1つの方法です。

【対応策】
いきなり人前ではなく、一人で練習したり、会話の相手と二人きりで話すなど、安心できる環境を作る。AIを使った練習もかなり有効。第三者が見ているのが嫌なら、喋らなくてもいい。

根性論ではなく「工夫」!

英語を話すのが怖い理由は、勇気がないからではありません。
英語話者や英語圏の世界を知る・不慣れだと認識する・準備する・熱意を育てる・安心できる場を作る——この「5つの対応策」を使えば、英語を話す怖さはぐっと軽減できるのではないでしょうか。

英会話に根性論は要りません。
創意工夫で、学びの世界を賢く歩んで行きましょう!

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