
今でも電子辞書は必須!
学生時代に、学年単位で購入することになった人もいる電子辞書。
卒業したら、メルカリで売った人も多いと思います。
現在はスマホで言葉の意味を簡単に調べられるようになりました。
翻訳アプリがあまり頼りにならない時もありましたが、現在はAIで翻訳の精度がかなり上がりました。
しかし、あなたの脳に直接英語を叩き込みたい場合は、電子辞書が必須です。
それなのに、私が出会った英語学習者の人たちの多くは、皆そろって電子辞書を重要だと思いません。
もしかしたら一般的な考えもそのような感じかもしれないため、ここで電子辞書の重要性を解説させていただきます。
辞書の文法情報は学習内容の宝庫
電子辞書を使うべき理由
英語学習に電子辞書を使うべき理由は、次の通りです。
- 文法に関する記述がある
- 串刺し検索ができる
- 1冊あたりで考えると安かったり、中古も検討できたりするため、比較的安価(スマホ・パソコン用だと辞書1冊が比較的高額)
- 辞書機能のみしかない(スマホやパソコンだと勉強を中断させる誘惑が多かったり、通知等の邪魔が入ったりする)
- ノートパソコンより携帯性が高い
1番目の理由が最も重要です。
私もそうでしたが、学び直しの人はそもそも辞書の使い方を覚えていない人が多い印象です。
たとえば、私のお勧めの『ジーニアス大英和辞典』でmatterという単語を引くと、それが名詞でもあり、動詞でもあることがわかります。
名詞としては、不可算名詞(Uという表記)の場合はどういう意味になるか、可算名詞(Cという表記)の場合はどういう意味になるか、それぞれの細かい条件が書かれています。
動詞としては、自動詞であること、そして意味によって伴う前置詞や細かな条件が書かれています。
このように、1つの単語でも、ただ代表的な日本語の訳語を知っていれば良いわけではなく、使い方はとても細かいのです。
当然、よく使われるものとそうでないものもありますが、あまり普段使われない意味や用法だからといって、全く出てこないわけでもありません。
私たちは、日本語で、外国人の初中級の日本語学習者が全部わかる単語だけで会話しているわけではありませんよね。
むしろ、ちょっと新聞に使われるような表現を使ったほうが話が早い時も多々あると思います。
文法書は、体系的に核となる文法規則をまとめているだけで、単語ごとの細かいルールまでは書かれていません。
そのため、私は文法書も文法の記述がある辞書も、両方必要だと思っています。
電子辞書の改善してほしいところ
また、残念ながら、電子辞書の惜しいところもあります。
- 昔の機種より反応がだいぶ遅い
- 余計なコンテンツを入れすぎ(著作権の切れた小説など)
- 使い勝手が悪い(操作性が悪い)
- 柔軟性が低い(中身の入れ替えが多少できてもあまり便利ではない)
このように、電子辞書は決して完璧ではありません。
余計なコンテンツは入れなくて良いし、カラーじゃなくても良いので、反応速度を優先してほしかったと、かなり前から思っています。
スマホの時代になったことで、残念ながらメーカーさんはもう力を入れていないようです。
もったいないとは思いますが、また新しい何かがきっと出てくるでしょう。
でも、それまでは電子辞書の活用をおすすめします。
紙の辞書はおすすめできるか?
紙の辞書はどうかと聞く方もおられますが、大辞典のほうは本当に大きいですし、値段も高く、検索性も低いので、あまり現実的ではないと思います。
紙の本ですと、英和辞典は片手で持てる大きさの辞書、英和大辞典は広辞苑のような大型辞書です。
昔紙の辞書を使っていたから、紙の方が慣れていると思う人もいるかもしれませんが、電子辞書は、他の辞書も含めて串刺し検索(複数辞書検索)ができるので、やはり電子辞書をお勧めします。
スマホやPCでは代替になりにくい理由
スマホやパソコンよりも電子辞書が良い理由は、スマホですと他のアプリがたくさん入っていて通知や誘惑が多く、電子辞書よりは勉強には不向きであることです。
パソコンも、ノートパソコンであっても携帯性が電子辞書ほど良くなく、PC版ソフトは高額ですし、教材がパソコン上でない限りは親和性もあまりありません。
最近はAIに聞けば何でもわかると思う方もおられるかもしれませんが、AIの内部に文法記述がある辞書が丸ごと入っていない限りは、まだ誤りも多く、完全には信頼できません。
また、AIは結局スマホやパソコン上で使うものなので、先ほど述べたスマホやパソコンに関する問題も当てはまります。
おすすめはジーニアス英和辞典+英和大辞典の併用
私がお勧めするのは、ジーニアス英和辞典とジーニアス英和大辞典の併用です。
この2冊が両方入っている電子辞書があります。
英和辞典(中辞典)と英和大辞典の主な違いは収録内容の量です。ジーニアスでは、英和辞典と英和大辞典で解説内容も異なります。
初級の段階では、ジーニアス英和辞典を主に使用するのが良いと思いますが、リーディングで調べたい内容が載っていないことも多いので、やはり併用が良いと思います。
辞書には版数がありますので、基本的には最新版が良いと思います。
ただし、予算の問題がある場合は、前の版が入っている電子辞書でもそんなに問題はないと思います。本当に最新の用語は、最新版にも入っていないことがあるため、そういうものはネットで調べるしかありません。
ちなみに、ネットで調べる場合は英辞郎がおすすめです。
英辞郎で調べたあと、意味や使われ方の当たりがついたら、あらためて自分の辞書でも調べ直す習慣も大切です。
中古で探す場合の注意点
メルカリで見てみると、時期にもよりますが、古いものでしたら5,000円以内で買えることもあります。
大事なのは型番を確認して、いつ発売されたかを調べることです。
具体的に何年とは言えませんが、おおまかに考えて10年以上前のものは液晶がダメになる可能性が高いです(特にモノクロ液晶が黒くなってしまいます)。
発売年・収録辞書の版と予算を天秤にかけて選んでみてください。
最新の新品の辞書ですと数万円ほどします。
でもこれには他のいろいろな辞書も含まれますので、他に必要な辞書があるならば、決して高すぎるわけではありません。
メーカーは現在はカシオ一択です。
辞書は学習の核
辞書は、紙であるか電子であるかにかかわらず、学習の必需品です。
「やみくも」英語学習に陥らないように、検索やAIで済ませず、信頼できる辞書で文法に関する記述を確認しながら、一つ一つの単語と丁寧に向き合っていきましょう。