#025 化石化した英語をどうやって直す?

英語の化石化とは

間違いを放置して固定化

あなたは、自分の英語の間違いを、放置していませんか?

英語の「化石化(fossilization)」とは、英語の間違いがそのまま固定されてしまい、なかなか直せなくなる現象のことです。

化石化した部分が多いほど、当然わかりにくい英語になります。
例えて言うならば、英語能力試験で間違ったところをそのままにして、何度でも間違い続ける。
それを日常の中でやってしまっているのが、まさに化石化です。

私自身の英語化石化

お恥ずかしながら、実は私の英語も、まあまあ化石化しています。
ブランクの前は「正確さ」に全く興味がなかったので、当然と言えば当然かもしれません…。

ちなみに、私が化石化を直す必要がある順番はこんな感じです。

  • 時制
  • 句動詞
  • 名詞(日本語からの直訳で誤魔化してしまう)
  • 助動詞(ニュアンスの違い)

こうやって見てみると、私に関しては、「とりあえず通じてる感じがするからいいか」と、ごまかしてきたことが化石化してしまっているとわかります。
私もこれを機に化石化したものを1つでも直していきたいと思います。

化石化をどう直すか?

これが非常に大きな問題です。
まず、自分で間違いに気づくのが難しい。
会話においては、ネイティブの友人や講師であっても、基本的に会話の流れを止めたくないので、細かい文法ミスはあえて指摘しないことが多いです。
表現によっては気にならない人も結構多いです。

気にならないなら直す必要はないように思えるかもしれませんが、相手が気になるかそうでないかは、こちらが簡単に判断できることではありません。
間違いを指摘してその場の空気を乱すぐらいだったら、流してしまう人はたくさんいます。

そもそも重要なのは「自分で間違いを見つけられること」です。
そして、直した間違いを自分でしっかり理解して自分のものにすることです。
それが、英語力向上につながります。

つまり、間違いの理由が理解でき、それを自分のアウトプットの仕組みに組み込めなければ、化石化した部分は直りません。

化石化修正手順

私が考える化石化修正の手順はこうです。

  1. まず自分で見つけられる間違いを増やす(下記の方法で)
  2. 外からの修正(添削・フィードバック)も活用する
  3. 修正した表現を練習して定着させる

これは化石化予防にも使えます。
学習の早い段階からこれができていれば、すべてではなくても、化石化をできるだけ防げるはずです。

学習の経験が浅いほど満足しがち

自分の経験やこれまで見聞きしてきたことから考えますと、人は学習の経験が浅いほど「自分がどこを間違えているのか」に気づきにくく、現状に満足してしまいがちです。
だからこそ、「間違いに気づける段階に来た時が、直し時」だと思います。

直した表現にまた出会う必要性

そして何より大事なのが、「直した表現を使う次の機会」です。

たとえば、語学学習アプリのDuolingo Maxの「ロールプレイ」機能のように、同じ状況をもう一度繰り返せる環境はとても有効です。
そのような機能を使える場合以外は、自分で使う場面を意識的に作り出す必要があります。
この機会が多ければ多いほど、定着につながります。

アウトプットとインプット、両方からのアプローチ

化石化の修正には、次のように、アウトプットとインプットの両方からアプローチするのが理想です。

アウトプットから直す

自分自身から出てきた言葉を、正しい表現と擦り合わせていく。
AIや翻訳アプリはまだ不完全なので、あたりをつけるために使用するのは良いが、最終的には信頼できる辞書と文法書でしっかり確認するのが非常に重要。

インプットから直す

リスニング(音声による理解)がネイティブレベルから遠ければ遠いほど、リーディング(文字)を中心に正しい表現にたくさん出会うことが大切。
私の知っている人では、自分の生活に英語のリーディング(多読)を組み込めた人ほど、自然に英語力を伸ばしている印象

アウトプットの方法

音声を録音して、それを直してもらうのは手間が多すぎて、現実的ではない。
音声入力は、自動で直されたりするので、今のところはライティングがおすすめ。
ライティングで句読法も学ぶ必要があるので、どちらにしてもライティングは必須。
ライティングの添削には、単語や構造や訳文といったレイヤーがそれぞれあり、複雑になりがちなので、実は添削自体は手書きが1番簡単だったりする。

AIに添削してもらう場合は、直してもらった箇所とその理由を、信頼できる辞書や文法書で裏を取ってから、自分で手書きで、元の文章が書いてある紙のノートやデジタルドキュメントに反映するのがおすすめ。

インプット教材の選び方

単語帳はどうしても無味乾燥になりがち。
暗記が得意な人なら良いが、多くの人には文脈の中で単語と意味がつながる有機的な学び(例:記事・小説・スピーチスクリプトなど)が長期的視点ではおすすめ。
辞書を引く習慣も正しいインプットとして非常に大切。

新しいことも学びながら、化石化も直す

一度化石化してしまった部分を直すのは、簡単ではありません。
しかし、化石化は容易に起こります。
独学で間違って覚えたままになり、化石化してしまうこともたくさんあるでしょうし、年齢や環境のせいで、化石化が多くなってしまうこともあるでしょう。

英語力を本気で高めたいと思うならば、新しいことを学ぶのと同じくらい、化石化を直すことも大事です。
本来は、正しくインプットして、それを定着させるのが1番理想的ですが、残念ながらそうできなかったものは、一つ一つしっかり直していきましょう!

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