
「英語、全部忘れてしまいました」?
英語を学び直したいという人から、よくこんな言葉を聞きます。
「高校までずっと英語を勉強していたのに、もう全部忘れてしまって…」
でも、ちょっと考えてみてください。
This is my pen.
How are you today?
I love English very much.
――これくらいは、覚えていますよね?
実はこれ、結構残っているほうなんです。
たとえば、あなたが歴史好きでないとして、高校の授業で習った世界史について、今でも詳しく説明できますか?
あるいは、あなたが理系でないとして、化学について今どのぐらい説明できますか?
もし、世界史や化学について、まるで思い出せないならば、「高校まで勉強した英語」は、「高校まで勉強した世界史や化学」よりも成果が残っているということなんです。
教養と実用は異なる
とはいえ、こんな疑問も浮かんできます。
本当に、そんなに勉強してた?
定期テストのあとも覚えてるくらい、繰り返してた?
授業の内容以外に、どれだけ自発的に取り組んでた?
もし、あなたが英語に熱中していたなら、高校生のうちからペーパーバックを読んでいたり、スピーチコンテストに出ていたかもしれません。
チャンスがあれば、ホームステイに行っていた人もいるでしょう。
でも、授業の中だけでしか英語に触れてこなかったのなら、それは「教養」としての英語であり、実用的なスキルとして定着していないのも、ある意味当然のことです。
今から「ゼロスタート」でいい
高校まで英語を勉強していたとはいえ、その後一度も使う機会がなかったのなら――いっそ「ゼロからのスタート」だと考えてしまったほうが、気持ちがラクです。
それに、過去を悔やむより、これからの学びをシンプルに積み上げていく。
そのほうが、進みやすくなります。
要するに、「高校まで勉強していたのに」と自分を責めるのではなく、「高校の授業で得たのは、“教養”としての英語だった」と、発想を切り替えてみてください。
ここからが“本当のスタート”
ほとんどの人が、実は同じスタートラインに立っています。
今からフィンランド語を始めるのとは違い、英語ならば、学校教育で得た教養のストックがあります。
この“下地”があるだけでも、ずっと取り組みやすいはずです。
学生時代の「義務」としての学びとは違う、大人になった今だからこそできる学び方を、ぜひ新鮮な気持ちで楽しんでみてください。