#012 英語力の差が、日常ににじみ出るとき

日常に潜む「英語力のリトマス試験紙」

日本で暮らしていると、英語ができなくても困ることはほとんどありません。
でも、私たちの生活は、英語由来の言葉で溢れています。

そのため、日常のちょっとした言動から、「この人、英語が苦手なんだな」と気づかれてしまう瞬間があります。

こうした場面は、ある程度英語を学んできた人にとっては、まるで「リトマス試験紙」のようなもの。
一目で、基本的な英語の知識があるかどうかがわかってしまうのです。

(※リトマス試験紙:液体に浸すと酸性・アルカリ性を即座に判別できる化学の道具)

日常に現れる「英語力の差」

たとえば、こんな場面に心当たりはありませんか?

  • 「#」を「ナンバー」ではなく「シャープ」と読む
    →「#1」のことを「ナンバーワン」ではなく「シャープワン」と読むのは、英語圏では通じません。
  • 英語の大文字・小文字の違いを軽視している
    →「全部大文字のほうがカッコいい」「小文字で書くのが好き」といった好みの問題として扱ってしまう。
  • ピリオドの後にスペースを入れない/全角スペースを使う
    →文章の構成に対する基本的なルールが身についていないことが伝わってしまいます。
  • 正式でない略語を使う
    →たとえば「&(アンパサンド)」はカジュアルな場でのみ使用されます。ビジネスや論文では避けるべき表記です。
    また「X’mas」も昔よく見かけましたが、正式には「Christmas」と綴るのが正解です。
  • 和製英語を疑わない
    →たとえば「ワイズ(靴の幅)」のように、本来の英語「width(幅)」から完全にずれていても、発音・スペルを調べようとすらしない。
    (たぶんwidesだと思っている? ←存在しない単語です。)

「英語を書く人」ではなくても、知識はにじみ出る

これらは、英語で文を書くような機会がなくても、普段の日本語の中にしれっと紛れ込んでいる英語的要素です。

だからこそ、「自分は英語で書かないから関係ない」と思っている人ほど、無意識にボロが出やすいのです。

逆に言えば、こうした細かい部分を大切にすることで、英語そのものに対する理解や教養のようなものが伝わるようになります。

そして、特にこれから英語を学ぶ人や今学んでいる人は、このような点に気をつけることが非常に大切です。

次回「 #013 英語学習に立ちはだかる「壁」 」では、「勉強が苦手」よりも深いところにある学びの障壁について書いています。
英語学習において、立ちはだかる3つの壁とは一体何でしょうか?

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