
「ペラペラ」ってなんだろう?
「英語がペラペラになりたい!」
よく聞く言葉ですが、この「ペラペラ」って、そもそも何を指しているのでしょうか?
英語が流暢なことですか? 正確に話せることでしょうか?
私は、ペラペラというのは単なる“印象”だと思っています。
なぜなら、まだまだ学習途中の私が、他の人から「ペラペラだね」と言われることが何度もあったからです。
後には、私の英語をチェックしている人のレベルを見極めながら、得意な表現と雰囲気と態度でペラペラに見せることもできるようになりました。
これがもし苦手で興味がない内容だったり、緊張する状況だったりすると、めちゃくちゃしどろもどろになります。
つまり、「ペラペラ」とは、判断する人が、「自分には流暢に聞こえるからペラペラに感じる」だけなのではないかと私は考えています。
主観的な思い込み
「ペラペラ」に見える人には、大きく分けて2つのタイプがあるように思います:
- 自分より流暢に見える人:自分にはわからないレベルなので、間違っていても気づかず、なんとなく上手に聞こえる。
- 明らかに間違っているけど、自信を持ってスムーズに話している人:特に、自分が緊張しているときほど、相手が余計に「ペラペラ」に見えてしまう。
つまり、「ペラペラに見える」だけで、本当に伝わっているかどうかとは別問題なのです。
この言葉には、どこか主観的な思い込みが含まれていて、ちょっとした劣等感や焦りを引き起こすネガティブなニュアンスすら感じることもあります。
ネイティブとの「流暢さ」感覚のズレ
そしてもう一つ忘れてはならないのが、ネイティブスピーカーが感じる「流暢さ」と、私たち日本人が「ペラペラ」と表現する感覚には、大きなズレがあるということです。
たとえば、私が日本語ネイティブとして考える、ネイティブが流暢さを感じる要素は:
- 文の構造や内容が論理的で、整理されている
- 語彙が自然で、表現に幅がある
- 自信よりも「わかりやすさ」「伝わりやすさ」が優先されている
一方、日本人同士の評価では:
- 滑らかに話しているように聞こえるかどうか
- 発音が「英語っぽい」かどうか
- 自信ありげに見えるかどうか
といった“見た目のすらすら感” や“堂々とした態度” が強く影響してしまうことがよくあります。
つまり、私たちが「ペラペラだ」と思う人が、ネイティブから見ればまだまだだったり、その逆もあるということです。
「ペラペラ」を目指す前に大事なこと
語学は、他人に見えやすいスキルなので、つい比較してしまいがちです。
でも、本当に大切なのは:
- 相手の理解を妨げない発音で話せているか
- わかりやすく、論理的に話せているか
- 語彙や表現が自分の年齢や立場に合っているか
- 場面にふさわしい会話ができているか
「自分はペラペラじゃない」「あの人はペラペラで羨ましい」と感じたときは、主観的な印象だけで判断していないか、そして自分のインプットやアウトプットの質はどうかを見直してみるといいかもしれません。
「ペラペラ」という言葉に惑わされるよりも、会話の相手に寄り添ったコミュニケーションに目を向けることが、言語学習の本質に近づく一歩になると私は思っています。
次回「#004 英会話だけやりたい?――英会話は4技能の基礎の上に成り立つ」は、「英語を学ぶなら、英会話だけやりたい!」と思っている人に向けて書いています。