
アウトプット力を測る英語試験は?
「英語で話せるようになりたい!」
「英語で自分の意見を伝えたい!」
そう思っている人が、TOEICのL&R(Listening & Reading)だけを受けているのを見ると、私は少しもったいなく感じてしまいます。
TOEIC L&Rは、その名の通り「聞く」「読む」のインプット能力を測るテスト。
一方で、「話す」「書く」のアウトプット能力を測るのが、TOEIC S&W(Speaking & Writing)です。
つまり、「英会話ができるようになりたい」と思っているのに、L&Rのスコアを取得するだけで満足してしまっているとしたら、それは目的と手段がズレてしまっているのです。
L&Rだけじゃ、本当の実力は見えない
もちろん、L&Rを受けること自体が悪いわけではありません。
L&Rは、語彙力や文法、リスニング力の基礎を測るにはとても優れた試験です。
でも、それだけでは「実際に使える英語力」は見えてきません。
たとえば、L&Rで高得点を取っていても、英語で電話一本かけられない人もいます。
なぜなら、「聞く・読む」だけでは、実際のコミュニケーションは成り立たないからです。
4技能のバランスが大事
学校教育や受験勉強では、文法・語彙・リーディングが中心だった私たち。
その延長線にあると言えるTOEIC L&Rは、私たちには馴染みやすく、取り組みやすい試験だと思います。
でも、本当の英語運用力を身につけるには、「聞く・読む・話す・書く」の4技能すべてをバランスよく伸ばすことが大切です。
(※4技能については、今後の記事でたくさん書かせていただくつもりです。)
アウトプット型の試験も受けてみよう
「英語で話したい」「英語を使って仕事がしたい」と思っているなら、ぜひTOEIC S&Wにもチャレンジしてみてください。
S&Wはまだ受験者が少なく、L&Rほどは知られていないかもしれません。
でも、だからこそ、取り組んでいる人は一歩抜きん出た存在として注目される可能性もあります。
企業の方へ:評価すべきはS&Wです
採用や昇進にTOEICを活用している企業の皆さんにも、声を大にして伝えたいことがあります。
英語力を「選択式問題のスコア」だけで測っていませんか?
それでは、英語力の“氷山”の一角しか見ていないかもしれません。
本当に知るべきなのは、「この人は英語で何ができるのか?」という実践力です。
TOEIC S&Wでは、自分の言葉で答える力、状況に応じた発言力や描写力が問われます。
この試験を考慮せずに、「TOEIC L&R ○○点=英語ができる人」と判断するのは、少し危うい気がします。
「聞く力」と「読む力」を測るL&Rも、「話す力」「書く力」を測るS&Wも。
両方を受けてこそ、本当の英語力が見えてくるのではないでしょうか。