#004 英会話だけやりたい?――英会話は4技能の基礎の上に成り立つ

よくある誤解:「まず英会話から始めよう!」

「英語を話せるようになりたい!」
そう思って最初に「英会話教室に通う」「スピーキングアプリを始める」という人は多いですよね。
でも実は、その“話す力”こそが、4技能の基礎の上に成立している能力だということ、ご存知ですか?


英会話=スピーキングだけじゃない

英会話で必要なのは、話す力だけではありません。
読む・聞く・書く・話すの4技能がすべて土台になって、はじめて自然な会話が成り立ちます。

  • 会話をするには、聞き取る力 が必須(膨大な語彙力を持つ相手の言うことがわからなければ返せない。体系的に発音も理解していなくてはならない。)
  • 相手の言っていることを理解するには、 読む力 も必要(大量の語彙や表現のストックは文字からのほうが効率的。文字情報は発話内容よりも遥かに整理されている。)
  • 自分の言いたいことを言葉として構成するには、書く力 が効く(冷静に・客観的に単語を組み立てたり、言いたい内容を論理的に伝える力が身につく。)
  • 会話力=話す力ではない(正しい発音をするための口と舌と喉の動かし方や正しい抑揚や声の高低のコントロールも身につける必要がある。)

なぜ「英会話だけ」に偏ってしまうのか?

いくつかの理由が考えられます:

  • 「話せる=英語ができる」というイメージが強すぎる
  • 成果がもっともわかりやすく現れるのは“話す”スキル
  • 読む・書く・聞くは成果が見えづらく、地味に感じられる

つまり、「英語を話すには回り道が必要」と思えないまま、つい“会話練習だけ”に集中してしまうんですね。


バランスよく学ぶことの価値

英語を話せるようになるには、結局 4技能に基づくバランスの良いインプットとアウトプットの両輪 が必要です。
言い換えれば、「英会話力」とは、4技能の融合技なんです。

もちろん、好きな英会話の練習をやめる必要はありません。
でも、英会話偏重の学習から少しずつ脱却し、他の技能も並行してまんべんなく学ぶことで、英語力全体が底上げされていくはずです。


目に見える「話す力」より、目に見えない“基礎力=4技能”を大切に

「英語を話したい」から始めるのは、ごく自然なことです。
でも、話すためには、それ以前の力が必要だと知っていれば、回り道に見える勉強も、本当の近道になるかもしれません。



次回「#005レトリックに騙されるな!――「中学英語だけで英語は話せる」の落とし穴」では、語学学習にありがちな、耳障りの良い言葉について書いています。


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